矯正治療をしたいけど...「歯を抜かないと治療できません。」と歯科医師に言われ、ショックを受ける方がいらっしゃいます。歯を抜くことによるデメリットはありませんが、何となく健康な歯を抜くことに抵抗を感じるようです。そのような方達のために、"歯を抜かずに治す"非抜歯矯正治療法があります。
2018年12月14日
なぜ歯を抜かないとダメなのか?
そもそも、なぜ?歯を抜かないと矯正治療ができない方がいるのでしょうか。答えは、"歯を動かすスペースが足りない"からです。

歯がきれいに並んでいる方は、顎(あご)の大きさと
歯の大きさがバランスよく収まっています。

一方、歯がデコボコの場合、顎の大きさよりも
歯の大きさが大きく収まりきっていません。
つまり、歯をきれいに並べようとするならば、
- ・顎を大きくする
- ・歯を小さくする
- ・歯を少なくする
いずれかが必要になります。
歯を抜かずに矯正する方法について
顎(あご)の大きさと歯の大きさがバランスが悪い方の矯正方法は3つあります。その中でも非抜歯矯正は下記表の1、2に該当します。
矯正方法 | 抜歯or非抜歯 |
---|---|
1. 顎を大きくする | 非抜歯 |
2. 歯を小さくする | 非抜歯 |
3. 歯を少なくする | 抜歯 |
ガミースマイルとは
笑ったときに歯ぐきの露出が大きい状態はガミースマイルといいます。
ガミースマイルがお悩みで、笑うときに口元を手で隠してしまう方、口を開けることや笑うという行為自体にストレスを感じる方は歯科治療で解決できることがあります。

一般的な笑顔時の歯ぐきの見え方

ガミースマイルの笑顔時の歯ぐきの見え方
非抜歯矯正の流れ

歯をきれいに並べられる十分な大きさにするために、歯列を後方or側方に拡大します。
*前方に拡大すると出っ歯になってしまうので、後方or側方に拡大します。
*イラストは上顎の歯列です。

1. 治療前

2. アンカースクリュー装着

3. 歯列拡大

4. 治療終了

1. 治療前

2. アンカースクリュー装着

3. 歯列拡大

4. 治療終了

側方移動する場合
アンカースクリューという装置を使用し、側方に拡大します。

後方移動する場合
アンカースクリューという装置を使用し、後方拡大します。
歯の両端を0.3㎜ずつ削ります。6本の歯を削ることで1歯あたり0.6㎜×6歯=3.6㎜分大きな歯列を作り出し、歯を抜かずに矯正ができるようになります。


ガミースマイルを治す方法は2つ
ガミースマイルを治す方法は、アンカースクリューを用いた矯正治療と顎の骨を切除する手術と矯正治療の組み合わせの2つです。不正咬合の種類によって、どちらの方法となるか決定します。
治療方法 | 不正咬合の種類 |
---|---|
アンカースクリューを用いた矯正治療 |
![]() 上顎前突(出っ歯) |
顎の骨を切除する手術と矯正治療の組み合わせ |
![]() 下顎前突(受け口) ![]() 開咬 |

アンカースクリューと呼ばれる装置を用いて、上の前歯を上方に引っ張り上げる方法です。

1週間ほど入院して顎の骨を切除する手術をする方法です。
術前矯正→手術→術後矯正という流れで行い、トータルで約1年くらいの期間がかかります。手術ですので、怖いという理由で踏み出せない方も多いです。一方、費用が健康保険の適応になることはメリットといえます。