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お口の健康を育てるには?家族みんなで季節の食材を取り入れ健康的なお口の中を目指そう!


よく噛んで、だ液をしっかり出し、バランスよく食べることが大切です。
噛む力や飲み込みの機能が育ち、むし歯や歯周病の予防にもつながります。

健康な歯やお口は、年齢を問わず私たちの生活に欠かせないものです。

しっかり噛んで食べられることは、栄養をきちんと取り入れることにつながり、会話や笑顔にも自信をもたらします。

「歯磨きや歯科検診は気をつけているけれど、食べ物までは意識していない…」という方も多いかもしれません。実は、お口の健康は食事からも大きな影響を受けるのです。

今回は、子どもから大人、高齢者まで、世代を問わずお口にやさしい食べ物を「季節の食材」とともにご紹介します。毎日の食卓に取り入れられる工夫を知って、家族みんなでお口も体も健康に育てていきましょう。


なぜ「食べ物」が歯やお口の健康に関わるの?

食べ物は歯やあごを育て、むし歯や歯ぐきの病気を防ぐ力を持っているからです。
よく噛む食事はあごの発達を助け、唾液が出てお口をきれいに保ちます。

また、カルシウムやビタミンを含む食材は、丈夫な歯をつくるもとになります。
歯や歯ぐきの健康は「磨くこと」だけで守れるものではありません。

           •         歯の材料となるカルシウム

           •         歯ぐきや粘膜を守るビタミンA・C・E

           •         骨や歯を強くするビタミンD

           •         噛むことで唾液を出し、口内をきれいに保つ食物繊維

こうした栄養が日々の食事から入ってこそ、健康な歯とお口を維持できます。さらに、「よく噛むこと」そのものも大切です。噛む刺激によって唾液が分泌され、

           •         虫歯菌が作る酸を中和

           •         食べかすを洗い流す

           •         口臭を防ぐ

といった効果が得られます。
つまり、何を食べるか+どう食べるかが、健康なお口をつくるカギなのです。


世代別・ライフステージに合わせた食べ方の工夫

子ども

乳歯から永久歯に生え変わる時期は、歯の基盤づくりの大切な時期です。
甘いお菓子やジュースを控え、果物や乳製品を上手に活用しましょう。

           •         おやつに「ヨーグルト+果物」

           •         小魚やナッツでカルシウム補給

           •         おにぎりやさつまいもで噛む習慣を育てる

特に、ガリガリ噛むことができる「煎り大豆」や「りんごの薄切り」は、歯と顎の発達を助けます。

大人

忙しさから食事を抜いたり、外食やコンビニに頼りがち。
野菜・海藻・豆類を意識して取り入れることがポイントです。

           •         ランチに「海藻サラダ」や「小鉢」を追加

           •         コーヒーや清涼飲料を水・お茶に置き換える

           •         お酒の席ではチーズや枝豆など、歯にやさしいおつまみを選ぶ

また、デスクワークの合間に「ガム(キシリトール入り)」を噛むのも唾液を増やし、口臭や虫歯予防に役立ちます。

シニア

加齢に伴い噛む力や飲み込む力が低下してきます。
柔らかくても栄養がしっかり摂れる工夫が必要です。

           •         根菜は「煮物」や「ポタージュ」に

           •         果物は「コンポート」や「すりおろし」に

           •         魚は「煮付け」や「鍋」にして食べやすく

さらに、噛むのが難しい方でも「豆腐」「茶碗蒸し」「やわらかく煮た白身魚」などは口当たりよく、栄養もしっかり摂れます。


季節の食材とお口の健康(献立例つき)

春:芽吹きの季節に「ビタミンC」と「カルシウム」

           •         いちご:抗酸化作用+コラーゲン生成で歯ぐきを守る

           •         小松菜:カルシウムが豊富で歯や骨を丈夫にする

           •         新ごぼう:食物繊維が多く、よく噛む習慣を育てる

献立例:小松菜としらすのおひたし、いちごヨーグルト、新ごぼうのきんぴら。

夏:暑さで失われる水分・ミネラル補給

           •         きゅうり・スイカ:水分補給+噛む刺激で唾液アップ

           •         枝豆:良質なたんぱく質+カルシウム

           •         とうもろこし:粒をしっかり噛むことで顎の発達にも

献立例:枝豆入りちらし寿司、冷やしきゅうり、スイカのデザート。

秋:実りの季節で「噛む力」を強化

           •         りんご・柿:噛むことで唾液分泌促進+ビタミンCで粘膜保護

           •         しいたけ:ビタミンDでカルシウム吸収を助ける

           •         さつまいも:食物繊維と甘みで満足感があり、便通改善にも

献立例:さつまいもご飯、しいたけの味噌汁、りんごの薄切り。

冬:風邪予防に「ビタミンA」と「D」

           •         かぼちゃ・にんじん:粘膜を強くし、風邪予防

           •         ぶり・大根:カルシウムとビタミンDで骨や歯をサポート

           •         干し芋:自然な甘さ+噛むトレーニング

献立例:ぶり大根、かぼちゃの煮物、にんじんサラダ、干し芋のおやつ。


「噛むこと」が健康効果につながるの?

はい、つながります。よく噛むことで唾液が増え、むし歯や口臭を防ぎます。
さらに、あごや顔の筋肉が発達し、脳の活性化や食べすぎ防止にも役立ちます。

噛むことにはこんな効果があります:

           •         脳を活性化し、認知症予防に

           •         唾液の分泌を促し、虫歯・歯周病予防に

           •         食べすぎを防ぎ、肥満防止に

           •         正しい姿勢や発音の発達にもつながる

子どもなら顎の発達、大人なら集中力やストレス軽減、シニアなら認知症予防と、それぞれの世代でメリットが大きいのです。

また、歯科では「8020運動(80歳で20本の歯を残そう)」が広く知られていますが、その背景には「噛む力=健康寿命」という考え方があります。


「8020運動」とは?

1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。

そのため、「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めてこの運動が始まりました。楽しく充実した食生活を送り続けるためには、妊産婦を含めて生まれてから亡くなるまでの全てのライフステージで健康な歯を保つことが大切で

令和6年歯科疾患実態調査の結果(概要)が 令和7年6月26日に厚労省より公表され、8020 達成者率は61.5%(令和 4年調査では 51.6%)となり、6割を超えました。この結果は、8020運動開始当初から比べて大幅に向上しており、厚生労働省は「8020健康長寿社会」の実現を目指しています。

(「日本歯科医師会HP  2025.7.17新着情報」より引用:http://www.jda.or.jp/


歯の本数が死亡リスクと関係するって本当?

はい、本当です。「残っている歯の本数が少ないほど、死亡リスク(特に総死亡・心血管疾患・誤嚥性肺炎など)が上昇する」ことは、多くの研究で示されています。

もちろん「歯が少ない=死ぬ」という単純な話ではありません。

しかし、残存歯数は〝健康状態の指標(バイオマーカー)〃として非常にわかりやすく、医学的にも重要視されています。

① 噛む力低下 → 栄養不足 → 体力低下や生活習慣病

歯が少なくなると、肉・魚・野菜・ナッツなどの健康維持に必要な食材が食べにくくなると米やパンなどの柔らかい炭水化物過多の食事になり栄養不足となります。これが続くと

          •         糖尿病

          •         高血圧

           •         筋力低下(サルコペニア)

           •         免疫力の低下

           •         フレイル(虚弱)

          •         要介護

に繋がり、総死亡率の上昇につながると報告されています。

② 誤嚥性肺炎のリスク増加

歯が少なくなると、しっかり噛めない、飲み込む機能(嚥下)が衰えやすくなります。
その結果、食べ物や唾液が気管に入りやすくなり、誤嚥性肺炎のリスクが上がります。
高齢者の死亡原因として非常に多いため、これが“死亡リスク”に強く影響します。


歯が少なくても「リスクを下げる」ことはできるの?

はい、できます。研究では、義歯(入れ歯)を適切に使い、噛めるようになると死亡リスクが改善することも分かっています。

           •         噛めるようになる

           •         食事が改善する

           •         体力が向上する

           •         誤嚥が減る

など、良い影響が大きいからです。

歯の本数は“健康のバロメーター”です。歯は食べる力・話す力・生活の質に直結します。
特に20本以上の歯があると、食生活と全身健康を良い状態に保ちやすいとされています。
今ある歯を守ることが、未来の健康を守る第一歩です。

みなさんも楽しく充実した食生活を送り続けるために、8020運動を意識してみてはいかがでしょうか。

(【画像】東京医科歯科大学 プレスリリースより引用:https://www.tmd.ac.jp/press-release/20230920-1/)


【歯科医院からのアドバイス】

1. 季節の食材を「家族で一緒に食べる」

食卓で同じ食材をよく噛んで食べることは、子どもにとってお手本になり、噛む力の発達を助けます。シニアにとっても、家族との会話や食事の楽しみが増える習慣です。

実践ポイント

           •         食材の切り方や調理法を工夫して、子どもやシニアでも噛みやすくする。

           •         「旬の野菜や果物を使ったメニュー」を週に1回は家族で楽しむ。

           •         食事中はテレビやスマホを避け、噛むことや会話を意識する。

補足:食事の時間を楽しむことで、自然によく噛む習慣がつきます。噛む力は顎の発達だけでなく、集中力や消化の助けにもなります。

2. 定期的な歯科検診と食生活の見直しをセットに

歯磨きだけでなく、食習慣の相談もできるのが歯科医院の強みです。

実践ポイント

           •         成長期の子どもは3か月ごとのチェックがオススメ。

           •         歯科衛生士に「噛む力・食べる姿勢・おやつの内容」を相談すると、家庭での工夫が具体的にわかります。

           •         食事日記をつけて、間食や飲み物、噛む回数などをふり返ると改善点が見えてきます。

補足:食生活と歯の健康は密接に関わっているため、定期検診を機に「何をどう食べるか」を家族で考える良いきっかけになります。

3. よく噛む習慣を意識する

「噛むこと」は単なる食べる行為ではなく、全身の健康に直結します。

実践ポイント

           •         食事は一口ごとに20~30回噛むことを目安に。

           •         固い野菜や果物はスティック状にして噛みやすくすると子どもも挑戦しやすい。

           •         ガムやこんにゃくゼリーなども、噛む練習として取り入れられる。

補足:よく噛むことで唾液が出て、虫歯・歯周病予防になるだけでなく、満腹感も得られやすくなり、肥満防止にもつながります。

4. 食後の口腔ケアをセットにする

食事やおやつの後は、歯磨きやうがいで口内環境を整えましょう。

実践ポイント

           •         甘いものや酸性の食べ物を食べた後は、うがいや水で口をゆすぐだけでもOK。

            (酸性状態が続くとエナメル質が溶けやすくなるため)

           •         子どもは一緒に歯磨きの習慣を楽しむ工夫(歌やタイマー)をすると続けやすい。

補足:口の中を清潔に保つことは虫歯・歯周病予防の基本。特に甘いおやつやジュースを摂った後は、手軽な「うがい」でも効果があります。

5.入れ歯・ブリッジ・インプラントを活用して “噛める” を維持する

歯を失っても、適切な補綴治療(入れ歯・ブリッジ・インプラント)を使うことで “噛める状態” を保ちましょう。噛めることは、栄養・体力・口腔機能・脳の健康に直結します。

実践ポイント

           •         入れ歯は必ず“調整”して使う

 (痛みやゆるさは我慢しないで相談を。調整するだけで噛みやすさが大きく変わります。)

           •         ブリッジは土台の歯のケアが最重要。歯間ブラシやフロスを必ず併用しましょう。

           •         インプラントは定期メンテナンスが寿命を左右するため、定期検診を受けましょう。

補足:噛む力が戻ることで、食事の幅が広がります。栄養状態を改善し、体力・筋力低下を防ぎましょう。よく噛む刺激で、脳の活性化・誤嚥予防につながります。また、見た目や発音が改善し、生活の質(QOL)が向上するでしょう。


もっと知りたい!よくある質問

Q1. お口の健康を育てるために一番大切なことは何ですか?

A. 最も重要なのは、「よく噛んで唾液をしっかり出し、バランスよく食べること」です。たくさん噛むことで唾液量が増え、唾液の自浄作用・再石灰化作用・抗菌作用が虫歯や歯周病を予防します。また、噛む刺激は顎の発達を助け、子どもの歯並びにも良い影響があります。さらに、噛むことで脳が活性化し、集中力の維持や満腹感のコントロールにも役立ちます。一方で、柔らかい物ばかりだと噛む回数が減り、唾液量が低下して虫歯リスクが高まります。日頃から噛み応えのある食材を取り入れ、「よく噛む習慣」を身につけることが、お口の健康づくりの第一歩です。

Q2. 季節の食材を取り入れるメリットは?

A. 旬の食材は栄養価が高く、噛み応えのあるものが多いため、お口の機能を自然に鍛えられるのが大きなメリットです。旬の野菜や果物、根菜類はビタミン・ミネラルが豊富で、しっかり噛むことで唾液分泌が促され、虫歯や歯周病の予防にもつながります。また、程よい硬さの食材は顎をよく使うため、咀嚼力の向上や子どもの顎の発達にも良い影響を与えます。噛む回数が増えると満腹感が得られやすく、食べ過ぎ防止にも効果的です。さらに、季節ごとの食材を取り入れることで食卓が豊かになり、食事の楽しさが広がる点も魅力です。

Q3. 子どもでも実践しやすい工夫はありますか?

A. 子どものお口の機能を育てるには、日常の食事やおやつで“噛む機会”を意識的に増やすことが大切です。例えば、野菜を少し大きめに切ったり、にんじんやきゅうりをスティック状にすると、自然と噛む回数が増えます。おやつにりんご・せんべい・煎り大豆・小魚など適度な噛み応えのある食材を取り入れるのも効果的で、噛むことで唾液がしっかり出て虫歯予防にもつながります。また、「よく噛んで〇回チャレンジ」などゲーム感覚で取り組むと、子どもも楽しみながら習慣化しやすくなります。家族全体で“よく噛む食習慣”を共有することが、無理なく続けられる環境づくりのポイントです。

Q4. シニアはどう取り組めば良いですか?

A. シニアの方がお口の健康を保つには、噛む力の低下に合わせて“無理なく噛む刺激を得られる工夫”をすることが大切です。硬いものを避けると栄養が偏りやすいため、食材は柔らかく調理しつつ、ほどよい歯ごたえを残すことがポイントです。根菜は軽く歯ごたえを残して煮る、肉や魚は刻んだりとろみをつけて食べやすくするなど、噛む動作を自然と促す工夫が役立ちます。また、海藻類やきのこなど噛むほど香りが広がる食材を取り入れると咀嚼回数が増えます。さらに、食後の口腔体操やガムによる軽い咀嚼トレーニングも効果的です。無理なく噛む機能を維持することは、誤嚥予防や全身の健康にもつながります。

Q5. 食生活の見直しは歯科医院でもできますか?

A. はい、可能です。歯科医院では歯科衛生士が、噛む力・食べ方・おやつの選び方などを含め、お口の状態に合わせた食生活アドバイスを行っています。歯みがき指導だけでなく、噛む回数や咀嚼のクセ、飲み込み方、食事内容まで細かくチェックし、改善方法を提案します。「噛みにくい」「むせやすい」「柔らかいものばかり食べてしまう」といった悩みも専門的な視点で原因を把握できます。子どもには成長に合わせた食材選びや食べ方の工夫、シニアには無理なく噛める調理方法の相談も可能です。歯科医院のサポートを活用すれば、お口の健康と食習慣を同時に整えることができます。


まとめ

           •         お口の健康は「歯磨き」だけでなく「食べ物」からも守られる

           •         季節ごとの食材を取り入れることで、栄養価が高く美味しく健康的

           •         世代ごとに工夫しながら、家族みんなで取り組める

           •       「よく噛んで、楽しく食べる」ことが、虫歯予防から全身の健康維持につながる

  •    歯を守ることは、食べる力・栄養・体力・脳・生活の質、
そして寿命まで支える“全身の健康づくり”

        •        歯の喪失を予防すること、また歯を失ってしまった場合には
歯科補綴治療で回復することにより、死亡率や機能障害の減少、
知的能力の維持、外出頻度、食生活の改善に繋がる

毎日の食卓に少し意識をプラスするだけで、歯も体もぐんと元気になります。
ぜひ、旬の食材を取り入れて「家族みんなでお口の健康」を育てていきましょう。



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