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前歯が出ている、出っ歯とは
出っ歯は、上の前歯が下の前歯よりも前に突出している状態で、医学的には「上顎前突」と呼ばれます。この状態は見た目や噛み合わせ、口腔内の健康に影響を与えます。出っ歯は遺伝、悪習慣、早期の乳歯喪失などによって引き起こされます。
出っ歯の影響
出っ歯の影響は多岐にわたります。
・噛み合わせの問題: 正しい噛み合わせができず、食べ物をうまく噛み切れないことがあります。
・歯の摩耗: 特定の歯が過剰に摩耗し、将来的な問題を引き起こすことがあります。
・口腔内の健康問題: 歯磨きが難しくなることで、虫歯や歯周病のリスクが増加します。
・心理的な影響: 出っ歯が原因で自信を失い、対人関係に影響を及ぼすこともあります。
歯科矯正の必要性
出っ歯を改善するためには歯科矯正が効果的です。矯正治療によって歯並びや噛み合わせを改善できます。
矯正治療の理由は以下の通りです。
・見た目の改善: 自信を持てる口元に整えることで、心理的な負担を軽減できます。
・機能の改善: 噛み合わせを正常化することで、食事や会話がスムーズになります。
・口腔内の健康維持: 正しい歯並びを持つことで、虫歯や歯周病のリスクを減少させることができます。
矯正治療の方法
出っ歯の矯正治療にはいくつかの方法があります。
ワイヤー矯正
①表側矯正:歯の表側に装置をつけます。
②舌側矯正:歯の裏側に装置をつけます。
インビザライン
透明なマウスピース型の矯正装置です。
口腔外科的治療
重度の出っ歯の場合、外科的手術が必要になることもあります。これにより骨格を矯正し、安定した結果を得ることができます。
矯正治療における抜歯の必要性
出っ歯の矯正治療では、抜歯が必要な場合があります。特に以下のような状況で考慮されます。
・スペースの確保: 歯が密集している場合、抜歯によってスペースを作ることで歯を移動しやすくします。
・骨格的な問題: 上顎が下顎よりも前に出ている場合、抜歯によって歯の位置を調整し、噛み合わせを改善することができます。
・治療の効率化: 抜歯によって治療期間を短縮し、効果的な矯正を実現することが可能です。
非抜歯のデメリット
・スペースの確保が難しくなる: 歯を並べるスペースがないことで、歯が並ばないことがあります。また無理に並べてしまうと、歯の根っこが骨から出てしまうことがあります。
・口元を引っ込めたいケースでは不利: 無理に並べることで口元が出て、自然に口が閉じない場合があります。
・後戻りしやすい: スペースがないところに並べることで歯を動かしても安定せず、後戻りしやすくなります。
矯正治療の流れ
矯正治療は一般的に以下のステップで進行します。
1.初診と診断: 口腔内の検査、X線撮影、模型作成などを行い、治療計画を立てます。
2.治療開始: ブラケットやマウスピースを装着します。必要に応じて抜歯を行います。
3.治療の進行: 矯正装置の調整を行いながら、歯が移動するのを観察します。
4.治療終了: 矯正が完了したら、保定装置を使い、歯の位置を安定させます。
矯正治療の期間と費用
矯正治療には個人差がありますが、一般的には1年から3年程度かかります。費用も治療方法や期間によって異なり、30万円から100万円以上になることがあります。保険適用の有無やデンタルローンやカード払いも考慮すると良いでしょう。
矯正治療後のケア
治療後は歯の位置が安定するように保定装置を使用します。また、定期的な歯科検診や適切な口腔ケアが重要です。これにより、出っ歯の再発や他の口腔内の問題を防ぐことができます。
まとめ
出っ歯は見た目や機能に影響を与えるため、適切な治療が必要です。歯科矯正はその効果的な手段であり、抜歯が必要な場合もあります。治療を受けることで、口腔内の健康を守り、自信を持てる笑顔を手に入れることができるでしょう。また今まで出っ歯と思っていても、実は下の顎が後退していることで、出っ歯に見えている場合もあるため、自分に合った治療方法を選ぶために、しっかりとした検査を受け、矯正専門の歯科医師と相談することが重要です。
症例紹介
治療前



治療後



主訴 | 上の前歯の凸凹が一番気になる |
診断名 | 上顎前突、叢生 |
年齢 | 20代女性 |
治療内容 | ブラケットを用いた歯列矯正治療 矯正用アンカースクリュー3本埋入 |
抜歯・非抜歯 | 抜歯あり 左右上顎第一小臼歯抜歯 |
治療期間・回数 | 動的治療30ヶ月 |
費用 | 総額¥1,082,400(税込) (相談料、検査料、診断料、動的治療費、保定期間料、抜歯代、アンカースクリュー費等を含む) ※自由診療になります |
リスク・副作用 | 歯痛、虫歯、歯周病、口内炎、発音障害、歯根吸収、歯肉退縮、歯髄炎、顎関節症、歯の咬耗、エナメルクラック |