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子どものむし歯は防げる?ちょっとした工夫でむし歯のリスクは下げられます


離乳食、食べさせ方の工夫

乳歯が生えはじめ、離乳食が始まると、
「大人からむし歯菌がうつるって本当?」「食器は分けたほうがいいの?」など、
子どものむし歯に関して気になることが増えてきます。

毎日の食事の中で、知らないうちにむし歯のリスクが高くなっていることもあります。

ここでは、食事の際にむし歯の原因菌が子どもにうつる仕組み、むし歯との関係、気をつけたいポイントを分かりやすくまとめました。


目次

子どもにむし歯菌はどのようにうつるのか?

【むし歯菌は生まれたときには存在しない】

大人の唾液から菌が移動する

生まれたばかりの赤ちゃんに、むし歯菌は存在しません。
むし歯菌は主に大人の唾液を介して子どもの口に入ることで“感染”し、口腔内に定着します。

むし歯の原因菌が最も定着しやすい時期は“感染の窓”と言われ、特に離乳食など食事は子どもがむし歯菌に接触しやすい機会であるため要注意です。


離乳食期で起こりやすい大人の細菌がうつる行動は?

離乳食を食べている様子

子どもは離乳食を摂取する際、食べることに慣れていないためこぼしやすく、保護者など大人がサポートを行うことで食べることができます。そのため、子どものためを思い遣った行動がむし歯菌感染のリスクを上げることがあります。以下に各リスク行動をまとめました。

【よくある行動と感染リスクの関係】

⚫︎高リスクの行動(唾液が直接付着)

大人が味見に使ったスプーンで子どもに食べさせる。
大人が噛み砕いた食べ物を与える。
食器やコップを共有する。
大人の箸で取り分けてそのまま赤ちゃんに与える。

⚫︎中リスクの行動(大人の唾液が少量付着している可能性)

食卓で大人が咳やくしゃみをして飛沫がかかる。
口移しではないが、唾液が付着した手で触れる。

⚫︎低リスクの行動(唾液の付着がほとんどない)

同じ食卓で食べるが、食器を大人と子ども完全に分ける。
同じ食器を使う場合は、大人が使用した食器を洗った後に使う。

ただし、高リスク行動をしたからといって必ず感染するわけではありません。子どもとのスキンシップや関わりはとても大切です。可能な範囲で少しずつ意識することがむし歯予防につながります。日常生活の中で無理なく取り入れていきましょう。


子どものおくちにむし歯菌が入ることで何が起こるのか?

ミュータンス菌

●むし菌原因菌の“定着”

むし歯菌が口の中に入るだけではむし歯にはなりません。むし歯の原因菌が口の中に感染し、住みつくことで定着します。むし歯の原因菌として代表的なものはミュータンス菌で食物の糖分から酸を作り、歯を溶かします。特に乳幼児期は口腔内の細菌バランスが不安定なため、この時期にむし歯の原因菌が定着すると口腔内の細菌においてむし歯菌の割合が高くなり、将来のむし歯リスクが高くなるといわれています。

歯の染めだし

赤く染まっているところは、むし歯の原因菌である細菌のかたまりです。

●乳歯の特徴とむし歯リスク

乳歯は永久歯と比較して表面のエナメル質が柔らかく厚みが薄いため、むし歯を発症すると早く進行します。また、歯の表面から神経(歯髄)までの距離が近く、短期間で神経に達する重度のむし歯への進行しやすいことから、気付いた時には残すことが難しいほど大きなむし歯になっていることも少なくありません。


大人から子どもへむし歯の原因菌がうつるのを防ぐ方法とは?

デンタルケア

【基本の予防策】

大人自身の口腔環境を整える 

大人がむし歯や歯周病を患っていると、口腔内の細菌数が増えてしまいます。細菌数が多いほど子どもへの感染リスクが上がるので、次のことに気をつけましょう。

・1日2回歯磨きを行い、その際に糸ようじや歯間ブラシを用いる
・歯科医院を受診し、むし歯治療や歯周病の治療を行う
・歯科医院で定期検診を受ける

子どもの歯磨き習慣を整える

離乳食以前は哺乳後にガーゼで口の中を拭くことで、口の中に物が入ることを慣れさせます。そして、離乳食が開始されたら、フッ素が含まれている歯磨き粉・歯磨きジェルを用いて歯ブラシで仕上げ磨きを行いましょう。

子どもの歯磨き(移行の様子)

食器やスプーンは共有しない

子ども用の食器は必ず専用の物にし、大人と区別すること。

噛み砕き食べはしない

大人が噛み砕いた食べ物を与える習慣、口移しはしない。


離乳食期にありがちな「これは大丈夫?」

同じ食卓でもむし歯菌はうつらない

同じ食卓に座るだけでうつる?

→基本的に心配は不要です。唾液が直接触れない限り感染しません。

大人と同じメニューでも別皿ならOK?

→問題ありません。ただし、専用の取り箸を用意し,子どもが食べるものは大人の箸が触れないようにします。

ストロー飲みを同じカップでしてしまった!

→一度の失敗で必ず感染するわけではありません。継続的に避ければ大丈夫です。


離乳食時のむし歯リスクを下げるための家庭でできる工夫

子どもの水分補給について

糖分の与え方

むし歯菌が定着すると、砂糖の摂取によりむし歯菌が一気に増えます。
おやつ(間食)は1日2回まで、1回15分程度と時間を決めて。
粘着性の高いおやつ(グミ、チョコレート、ソフトキャンディ)や糖分入りの飲み物は与えない。
間食は栄養を補うために与えます。クッキーやおせんべい、果物などが良いでしょう。

医師の指示など特別な場合でない限り、水分摂取は水や麦茶を基本にすること。

食器・スプーンは色分けして管理

子ども食器は色で分けると、大人がうっかり使うミスを防ぎましょう。

大人の食事中の咳・くしゃみに注意

飛沫が離乳食やお皿にかからないように手や腕で覆いましょう。

離乳食後の口のケアを習慣化

仕上げ磨きは乳幼児期の虫歯予防に最も効果があります。


大人の細菌がうつってしまったらどうする? 

【感染=必ずむし歯ではない】
むし歯菌の原因菌が感染しても、必ず虫歯になるわけではありません。
大切なのは、その後の生活習慣です。

生活習慣でむし歯発症を防げるポイント
・毎日の仕上げ磨きによる口腔内ケア
・糖分の摂取量、時間のコントロール
・定期的な歯科受診
・フッ素塗布やフッ素入り歯磨き粉の活用


歯科医院でのフォロー

小児歯科医による歯のチェック

当院ではむし歯原因菌の量を減らす口腔内ケアやフッ化物歯面塗布、むし歯が出来ていないかチェックを行っています。特に、1歳~3歳はむし歯原因菌の感染・定着リスクが高い時期なので、定期的な受診が非常に大切です。

この時期に適切な予防処置を行うことで、むし歯原因菌の定着を抑え、将来のむし歯リスクを大きく下げることが期待できます。さらに、保護者へ仕上げ磨き指導や生活習慣のアドバイスも行っています。


子どものむし歯に関するよくある質問

Q. 離乳食開始前に気をつけることは?

離乳食が始まる前は、子どもだけでなく大人の準備がとても大切です。まずは大人のむし歯治療を済ませ、毎日の歯磨きの質を見直しましょう。さらに、歯ブラシだけでなくフロスや歯間ブラシなど補助用具を使う習慣をつけることも効果的です。大人の口腔内環境が整っていることで、子どもにむし歯原因菌がうつるリスクを下げることができます。家族みんなで「お口の健康」を意識しておくことで、安心して離乳食をスタートしやすくなります。


Q. 甘い飲み物はいつからOK?

甘い飲み物は、できるだけ与ないことが望ましいとされています。子ども、特に乳幼児は歯が生えたばかりで表面が溶けやすく、むし歯原因菌がつくる酸だけでなく糖分によっても歯が溶けてしまいます。また、味覚が発達途中であることから、生涯に渡って甘味を求めるようになるリスクが高く、むし歯だけでなく糖尿病や肥満など生活習慣病のリスクが高くなる傾向にあります。

そのため、普段の水分補給に使用する飲み物は水やむぎ茶を基本にすることが大切です。甘いジュースや乳酸菌飲料などは、特別な場合のみにするなど、量や飲む頻度を意識しましょう。小さい頃からの飲み物の習慣が、将来の健康を守ることにつながります。


Q. いつ頃が一番注意が必要なの?

特に注意すべき時期は1~3歳頃です。この時期は乳歯の本数が増え、歯と歯の間や奥歯のかむ面に磨き残しが多く残りやすく、むし歯原因菌が増えやすい環境になります。また、子ども自身で歯みがきを十分にすることが難しく、食事やおやつの回数も増えるため、むし歯のリスクが高まりやすい時期です。そのため、保護者による仕上げみがきを丁寧に行うことに加え、食事やおやつの時間、甘い飲み物の頻度など生活習慣を見直すことが大切です。


Q.赤ちゃんの仕上げ磨きはI日何回するといい?

赤ちゃんの仕上げ磨きは、1日2回行うことが基本です。特に大切なのは夜寝る前です。寝ている間は唾液の分泌が減り、むし歯になりやすくなるためです。回数はもちろんのことですが、「丁寧に磨くこと」が非常に大切です。赤ちゃんが嫌がる場合は、家族の協力を得ながら短時間でもよいので、毎日続けて仕上げ磨きの習慣をつくることが大切です。嫌がるからと言って仕上げ磨きをしない、丁寧に行わないことは多くの歯に重度のむし歯ができる原因となります。


Q.子どもの歯医者さんデビューはいつ頃がいいの?

子どもの歯医者さんデビューは、最初の歯が生え始める生後6か月頃~1歳頃までがおすすめです。遅くても1歳のお誕生日までに一度受診しておくと安心です。この時期はむし歯予防を始める大切なタイミングで、口腔内ケアやフッ化物歯面塗布を行い、その上で仕上げ磨きの方法や食習慣についてのアドバイスを受けることができます。また、小さい頃から歯医者さんの環境に慣れておくことで、将来の受診への不安を減らすことにもつながります。


まとめ:小さな習慣が子どものむし歯リスクを大幅に減らす

定期的なメンテナンスの呼びかけ

離乳食期は、子どもがむし歯の原因菌に感染・定着しやすい時期です。
しかし、行動を少し意識するだけで感染リスクは大幅に下げることが出来ます。

大人が自身の口腔内の環境を整え、食事の際に食器の共有をせず、子どもの仕上げ歯磨きを丁寧に継続できれば、むし歯をほぼ確実に予防することができます。

また、飲み物や間食の頻度・内容を見直し、だらだら食べを避けることも重要です。家族全員が同じ意識を持ち、生活リズムやケア方法を共有することで、予防効果はさらに高まります。定期的な歯科受診で専門的なチェックを継続して受けることで、見落としがちな初期変化にも早く対応でき、安心して成長を見守ることができます。

当院には小児歯科専門の歯科医師が在籍しており、乳幼児期からのむし歯予防やお口の発達をサポートしています。気になることがあればお気軽にご相談下さい。


こちらのブログではこれからも、矯正治療や歯科治療に関する情報を発信していきますので、皆様のお口の健康に少しでも役立てていただけますと幸いです。

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