「子どもの歯ぐきが赤く腫れている」「歯みがきで血が出るけど大丈夫?」と不安に感じていませんか?小児・思春期の歯肉炎は珍しくなく、適切なケアで改善が期待できます。この記事では原因・特徴・治療法・予防のポイントをわかりやすく解説し、ご家庭でできる対策までまとめます。
目次
小児と思春期の歯肉炎と特徴

歯肉炎とは、歯ぐき(歯肉)に炎症が起こった状態をいいます。大人だけでなく、子どもにも多くみられる疾患です。特に思春期はホルモンの影響により炎症が強く出やすい時期とされています。
一方で、炎症が進むと歯周炎に移行します。歯周炎になると歯を支える骨が溶け始め、元の状態に完全に戻すことは難しくなります。歯肉炎は歯周炎の手前の段階で、まだ骨は溶けていない状態です。
そのため、早めに気づいて正しくケアを行えば、健康な歯ぐきに戻すことができます。
歯肉炎によく見られる症状

歯ぐきが赤い
歯ぐきがぷくっと腫れている
歯みがきや食事で出血する
口臭が気になる
痛みがほとんどないため、子ども自身が自覚しにくい点も特徴です。
乳歯が生え始める頃
乳歯が生え始める生後6か月頃からは、赤ちゃんの歯ぐきに汚れがたまりやすくなり、歯肉炎が起こることがあります。歯が生え始めたばかりの時期は歯ぐきがデリケートで、ミルクや離乳食の汚れ、細菌の増殖によって歯ぐきが赤くなったり、少し腫れたりすることがあります。
また、この時期の赤ちゃんは自分でお口の中を清潔に保つことができないため、保護者によるケアがとても重要です。ガーゼややわらかい歯ブラシでやさしく歯や歯ぐきを拭き取るように清掃することで、歯肉炎の予防につながります。
乳歯が生え始めたら、毎日のやさしい口腔ケアを習慣にすることが大切です。
混合歯列期は特に注意

乳歯と永久歯が混在する時期は歯並びが複雑になり、磨き残しが増えやすくなります。
仕上げみがきの見直しが重要です
思春期に起こるホルモンの影響

思春期は女性ホルモンや男性ホルモンの分泌が増加します。
これらのホルモンは歯ぐきの血管に影響を与え、炎症反応を強めることがあります。
そのため、少ない歯垢(プラーク)でも炎症が強く出ることがあります。
これを「思春期性歯肉炎」と呼びます。
① 部活動や生活習慣の変化

中学生や高校生になると、部活動や塾などで生活リズムが大きく変化します。帰宅時間が遅くなったり、疲れてそのまま寝てしまったりすることも増え、口腔ケアがおろそかになりやすい時期です。また、忙しさから歯みがきの時間が短くなったり、夜のケアを省略してしまうこともあります。こうした生活習慣の変化は、歯垢(プラーク)の蓄積や歯肉炎の原因になりやすく、気づかないうちに歯ぐきの腫れや出血につながることがあります。部活動で忙しい時期こそ、毎日の歯みがきを習慣として続けることが大切です。
② 間食の増加


思春期になると活動量が増えるため、空腹を感じやすくなり、間食の回数が増える傾向があります。お菓子や軽食を頻繁にとると、お口の中が長時間酸性の状態になり、むし歯や歯肉炎のリスクが高まります。また、間食のあとに歯みがきをしないことが多いと、歯の表面や歯ぐきの周囲に歯垢が残りやすくなります。間食自体が必ずしも悪いわけではありませんが、だらだら食べを避けることや、食後にうがいや歯みがきを行うなど、お口の環境を整える意識が大切になります。
③ 甘い飲料の摂取

スポーツドリンクやジュース、甘い炭酸飲料などを日常的に飲む習慣は、むし歯や歯肉炎のリスクを高める要因になります。これらの飲み物には糖分が多く含まれており、口の中の細菌が糖を利用して酸を作ることで歯の表面にダメージを与えます。また、間食と同様、甘い飲料を少しずつ長時間飲み続けると、口の中が常に酸性に傾きやすくなります。水やお茶を基本にし、甘い飲み物は時間を決めて飲むようにするなど、飲み方を工夫することが大切です。
④ 就寝時間の乱れ
思春期になるとスマートフォンの使用や勉強、部活動などの影響で就寝時間が遅くなりがちです。寝る時間が遅くなると、歯みがきをせずに寝てしまったり、夜の口腔ケアが不十分になることがあります。特に睡眠中は唾液の分泌量が減るため、口の中の細菌が増えやすく、歯肉炎やむし歯のリスクが高まりやすい状態になります。毎日決まった時間に歯みがきをしてから寝る習慣をつけることで、お口の健康を守ることにつながります。
⑤ 歯みがきの手抜き

思春期になると自分で歯みがきをする習慣は身についていても、忙しさや面倒くささから磨き方が雑になりがちです。短時間で済ませたり、歯ブラシを大きく動かすだけでは、歯と歯の間や歯ぐきの境目に歯垢が残りやすくなります。その結果、歯ぐきの腫れや出血など歯肉炎の症状が現れることがあります。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスなどを併用しながら、歯ぐきのきわまで丁寧に磨くことが大切です。毎日の正しい歯みがきが、お口の健康を守る基本になります。
生活リズムの変化も歯肉炎の悪化要因となります。
放置するとどうなる?
歯肉炎を放置すると、やがて歯を支える骨にまで炎症が及び、歯周炎へ進行する可能性があります。
特に以下のサインは要注意です。
出血が長期間続く
歯ぐきがぶよぶよしている
歯ぐきが下がってきた
小児・思春期の歯肉炎の治療法
最も重要なのは、原因であるプラークを除去することです。
★セルフケア(自宅でできること)
・正しい歯みがき
・仕上げ磨き(小児の場合)
・デンタルフロスの使用
・生活習慣の見直し
セルフケアのポイント
1. 仕上げみがきの継続
小学校高学年までは保護者のチェックが理想です。特に奥歯や歯と歯の間を確認しましょう。
子どもは手や指の運動機能がまだ発達途中のため、歯ブラシを細かく動かして歯のすみずみまで磨くことが難しい時期があります。特に奥歯の溝や歯と歯の間、歯ぐきのきわなどは磨き残しが起こりやすく、むし歯や歯肉炎の原因になりやすい部分です。そのため、小児期には保護者による仕上げ磨きがとても重要になります。仕上げ磨きは、磨き残しを補うだけでなく、お口の中の変化やむし歯の早期発見にもつながります。子どもの手の運動機能が十分に発達し、自分でしっかり磨けるようになるまで、保護者が毎日の仕上げ磨きでサポートすることが大切です
2. フロスの活用

歯と歯の間は歯ブラシだけでは不十分です。子ども用フロスを習慣化すると効果的です。
★歯科医院でのプロフェッショナルケア
・ブラッシング指導、生活習慣アドバイス
一人ひとりに合った磨き方をわかりやすくお伝えします。
お子さまだけでなく、保護者の方へのアドバイスも行います。
・歯石除去(スケーリング)
歯石は歯ブラシでは取れないため、専用の器具で除去します。

・専門的クリーニング(PMTC)
歯の表面に付着した細菌の膜(バイオフィルム)をきれいに取り除きます。
・定期的なチェック
定期的に歯ぐきの状態を確認し、必要に応じてケアの方法を見直します。

3~4ヶ月に一度の定期検診をおすすめします。
近頃のお子さんは、学校の部活動や塾、習い事などで、大人以上に忙しい毎日を過ごされています。そこでごとう歯科では、長期休みを利用した無理のないメンテナンスをおすすめしています。長期休暇を活用することで、忙しいお子さんでも無理なく通院することができます。受診の目安はおよそ3~4か月に一度となりますので、通院ペースとしても安心です。
思春期の子どもへの声かけの工夫

思春期は自立心が強く、親の指摘を素直に受け入れにくい時期です。効果的なのは
見た目へのメリットを伝える(歯ぐきの腫れ=印象ダウン)
口臭予防につながることを説明
一緒に歯科検診を受ける
本人の意識づけが改善への近道です。
小児、思春期における歯肉炎のよくある質問(FAQ)
Q.小児の歯肉炎は自然に治りますか?
小児の歯肉炎は、軽度であれば適切なケアによって自然に改善することがあります。多くの場合、原因は歯と歯ぐきの境目にたまるプラーク(歯垢)です。歯みがきが不十分だと細菌が増え、歯ぐきが赤く腫れたり出血しやすくなります。しかし、丁寧な歯みがきや保護者による仕上げ磨きでプラークをしっかり取り除くことで、歯ぐきの炎症は徐々に落ち着いていきます。特に子どもは歯みがきがまだ上手にできないため、毎日の仕上げ磨きがとても重要です。ただし、腫れや出血が長く続く場合や痛みがある場合は、歯肉炎が進行している可能性もあるため、早めに歯科医院で診てもらうことが大切です。早期にケアを行えば、多くの場合は重症化を防ぐことができます。
Q.思春期になると歯肉炎は悪化しますか?
思春期になると、歯肉炎が悪化しやすくなることがあります。これは「思春期性歯肉炎」と呼ばれ、主にホルモンバランスの変化が関係しています。思春期には女性ホルモンや男性ホルモンの分泌が増えるため、歯ぐきの血管が拡張し、炎症が起こりやすくなります。その結果、同じ量のプラーク(歯垢)でも歯ぐきが赤く腫れたり、歯みがきのときに出血しやすくなることがあります。さらに、部活動や生活リズムの変化により歯みがきがおろそかになると、歯肉炎が進行する可能性もあります。ただし、丁寧な歯みがきと適切な口腔ケアを続けることで、多くの場合は症状をコントロールすることができます。気になる腫れや出血が続く場合は、早めに歯科医院で相談することが大切です。
Q.歯ぐきから血が出るのは磨かないほうがいいですか?
歯ぐきから血が出ると「磨かないほうがいいのでは?」と思うかもしれませんが、基本的にはやさしく歯みがきを続けることが大切です。出血の多くは、歯と歯ぐきの境目にたまったプラーク(歯垢)が原因で起こる歯肉炎によるものです。出血が気になって磨かないでいると、プラークがさらに増え、炎症が悪化してしまうことがあります。毛先のやわらかい歯ブラシを使い、歯と歯ぐきの境目をやさしく丁寧に磨くようにしましょう。数日から1~2週間ほどしっかりケアを続けると、炎症が落ち着き出血が減ってくることも多いです。ただし、強い腫れや痛みがある場合、出血が長く続く場合は歯科医院で診てもらうことをおすすめします。
Q.子どもに歯石はつきますか?

子どもでも歯石はつきます。歯石は、歯の表面についたプラーク(歯垢)が唾液中のミネラルと結びついて硬くなったもので、大人だけでなく子どもの歯にも形成されます。特に、歯みがきが不十分だったり、歯並びが複雑で磨き残しが多い場合は、歯石がつきやすくなります。歯石の表面はザラザラしているため、さらにプラークが付着しやすくなり、歯肉炎の原因になることもあります。一度歯石になると歯ブラシでは取り除くことができないため、歯科医院でのクリーニングが必要になります。子どもの歯石を予防するためには、毎日の丁寧な歯みがきと保護者による仕上げ磨き、そして定期的な歯科検診を受けることが大切です。
小児、思春期における歯肉炎のまとめ

小児・思春期の歯肉炎は、決して珍しいものではありません。
主な原因はプラークですが、思春期ではホルモンの影響も関与します。
幸いにも、早期に気づき正しくケアすれば健康な歯ぐきに戻すことが可能です。
「赤い・腫れている・出血する」といったサインを見逃さず、家庭でのケアと歯科医院での定期管理を組み合わせることが、将来の歯周病予防につながります。
こちらのブログではこれからも、矯正治療や歯科治療に関する情報を発信していきますので、皆様のお口の健康に少しでも役立てていただけますと幸いです。
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