
「どうせ乳歯は抜けるから大丈夫」なんて思っていませんか?実は乳歯の虫歯を放置すると、永久歯の生え方やかみ合わせに影響したり、次に生えてくる歯が虫歯になりやすくなったりします。幼児期の歯のケアは、一生の歯の健康の土台作り!ここでは歯科医師おすすめの基本ケア+ママたちが実践して効果を感じた工夫を紹介。「うちの子も歯みがき好きになった!」という声もたくさん。今日から真似できるヒントが詰まっています。
目次
子どもに興味をもたせるには?
――親子で「虫歯のしくみ」を知ること。

歯みがきを「やらされるもの」と思っているうちは、子どもはなかなか自分から動きません。大切なのは、親子で“なぜ歯をみがくのか”を一緒に知ることです。
たとえば、絵本や動画を使って「虫歯菌は甘いものが大好きで、歯のすき間にお家を作るんだよ」と伝えると、ぐっと興味を持ちます。歯垢を染め出すカラーテスターで「ここに虫歯菌がいるね!」と見える化するのもおすすめ。親が楽しそうに話すことで、子どもも自然と関心を持ち、歯みがきが「お勉強」ではなく「探検ごっこ」になります。
楽しく学ぶ工夫が、習慣づけの第一歩です。
虫歯予防はいつから?
――離乳食期からがスタートライン!

虫歯予防は、最初の歯が生えたその日から始まります。歯が1本でも見えたら、清潔なガーゼや専用のブラシでやさしく拭いてあげましょう。
離乳食期に気をつけたいのは「甘い味に慣れすぎない」こと。甘いおやつや果汁飲料を頻繁に与えると、将来の虫歯リスクがぐんと上がります。最初のころは素材の味を大切にし、味つけを控えめにしましょう。
この時期から、フッ素入り歯みがき剤を“米粒大”くらい使うのも効果的です。親が毎日「食べたらみがく」を見せることで、自然と生活の一部になります。乳歯は永久歯の生え方や歯並びにも影響するため、「抜けるから大丈夫」ではなく「今が大事」と意識しておきましょう。
間食と飲み物の与え方とは?
――大事なのは「時間」と「質」
虫歯の原因は“量”より“回数”。口の中が甘い状態のまま長く続くと、酸が作られて歯が溶けやすくなります。
間食は1日1~2回と時間を決めて、だらだら食べを防ぎましょう。おやつにはチーズやナッツ、おにぎりなど砂糖が少ないものを選ぶと◎。
飲み物も要注意です。ジュースやスポーツドリンクは糖分が多く、虫歯菌の好物です。普段の水分は水かお茶にして、特別な日にだけ甘い飲み物を与えるように心がけましょう。
そして意外に多いのが、夜間授乳による虫歯です。
寝ている間は唾液の量が減るため、母乳やミルクの中に含まれる乳糖(糖分)が長く口に残り、虫歯菌が活動しやすい環境になります。特に、歯が生え始めてからの「寝ながら授乳」や「口にくわえたまま寝る」習慣は要注意です。
完全にやめるのが難しい場合は、
- 授乳後にガーゼで歯をやさしく拭う
- 仕上げに白湯を一口飲ませる
- 寝入りばなではなく、寝る前に授乳を済ませる
など、小さな工夫でもリスクを減らせます。
“夜の授乳=虫歯になる”と極端に心配する必要はありませんが、歯が生えた後は「飲んだら口をきれいにして寝る」というリズムをつけていくのが理想です。
甘い物を禁止するよりも、上手に与えて“口の中を休ませる時間”をつくることが、無理なく続く虫歯予防のコツです。
定期検診の目安はどれくらい?
――3~4か月に一度のプロチェックで安心

家庭でのケアだけでは見落としがちな部分もあります。乳歯はエナメル質が薄く、虫歯の進行も早いため、3~4か月ごとの歯科検診が理想的です。
検診では、磨き残しチェックやフッ素塗布、シーラント(奥歯の溝をコーティングする処置)などを行います。正しい磨き方も教えてもらえるので、親子で磨き方を確認するチャンスです。
また、小さいうちから歯医者に慣れておくと、「怖い場所」ではなく「歯をピカピカにしてもらう場所」と感じられます。幼児期からの通院習慣が、大人になっても歯を大切にする意識につながります。
フッ素濃度早見表
歯が生えてから2歳 :900~1000ppm(米粒程度1~2mm)
3~5歳:900~1000ppm(グリーンピース程度)
6歳以降:1400~1500(歯ブラシ全体2cm程度)
参考:日本小児歯科医師学会
【う蝕予防のためのフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法】
(2023改定版)
仕上げ磨きをスムーズにするには?
――歯みがきを“楽しい時間”に変える

仕上げ磨きを嫌がる子は多いもの。でも、ちょっとした工夫でぐっとラクになります。
たとえば、お気に入りのぬいぐるみに「○○ちゃんも磨いてもらおうね」と話しかけたり、歯みがきソングを流して「歌が終わるまでみがこう」とゲーム感覚にしたりするのもいいでしょう。
親も「痛くないよ」「ピカピカになってる!」と声をかけながら明るい雰囲気を作ると、子どもも安心します。終わったら「ありがとう!」と抱きしめてあげると、歯みがきがスキンシップの時間になります。
イヤイヤ期でも“楽しい儀式”にしてしまえば、毎日のケアがぐっとラクになります。
親から子へ虫歯菌はうつる?
――はい、うつります!だから親のお口のケアも大事です!

虫歯は実は“感染症”です。生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には虫歯菌はいませんが、大人の唾液を通してうつることがあります。
同じスプーンや箸の使いまわし、口移しでの試食などが感染経路です。
完全に避けるのは難しいものの、親自身の口内環境を整えることが一番の予防です。定期的な歯科検診やクリーニングで虫歯菌を減らし、家庭全体の“菌レベル”を下げておきましょう。
研究によると、親に虫歯が多い家庭では、子どもの虫歯発生率がおよそ2倍。また、親がフッ素入り歯みがきを使っていると、子どもの虫歯リスクは約30%減少するという報告もあります。
親子で一緒に歯を磨く時間をつくると、予防効果もモチベーションも上がります。
いつまで仕上げ磨きが必要?
――目安は10歳ごろまで。
自分でしっかり磨けるようになるのは、手先の器用さが発達する10歳前後といわれています。それまでは、大人の仕上げ磨きを続けましょう。
特に6~9歳の「混合歯列期」は、乳歯と永久歯が混ざって歯並びがデコボコになりやすく、磨き残しが発生しやすい時期です。
奥歯の溝や歯と歯の間を重点的に磨くことが大切です。
寝る前は虫歯リスクが最も高い時間帯なので、最後は必ず親がチェックをしてあげましょう。
10歳を過ぎても、時々仕上げ磨きをしてあげると安心です。子どもの自立を尊重しつつ、「見守りケア」を長く続けていきましょう。
小学生以降気をつける事は?
――小学生以降も“継続がカギ”

永久歯が生えそろうのは12歳前後。実はこの時期こそ、虫歯ができやすい年齢です。
学校生活が忙しくなり、歯みがきの時間が短くなったり、スポーツドリンクをよく飲んだりと、リスクが増えます。
- フッ素入り歯みがき粉を毎日使用
- 水筒はお茶か水にする
- 夜の仕上げ磨きをできるだけ継続
- 矯正装置をつけている場合は、専用ブラシで念入りに
親が「もう大丈夫」と油断せず、生活リズムの中で自然に歯を意識できるようサポートしていきましょう。
まとめ

虫歯予防は「毎日の積み重ね」。歯みがき、食習慣、プロのケア、そして親の健康意識——。この4つがそろえば、虫歯ゼロも夢ではありません。
完璧を目指さなくても大丈夫。大切なのは“続けること”。
「今日もピカピカになったね!」と声をかけながら、楽しい気持ちで続けていけば、歯みがきは親子の幸せな習慣になります。
こちらのブログではこれからも、矯正治療や歯科治療に関する情報を発信していきますので、皆様のお口の健康に少しでも役立てていただけますと幸いです。
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